金尾散財衛エ門のエンターティメントは素敵だ!

音楽大好き、芸術大好きの男がつらつら綴るエンターティメント感想記

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Gガール 破壊的な彼女

 Gガール 破壊的な彼女

 製作国 アメリカ 2006年 97分
 出演:ユマ・サーマン  ルーク・ウィルソン  アンナ・ファリス  レイン・ウィルソン
     エディ・イザード 他
 監督:アイヴァン・ライトマン

 銀行強盗を撃退し、すりの現行犯を懲らしめるなどの行動で全米の市民からやんやの喝采を浴びている「Gガール」。だがその正体は「ジェニー」という名の、地味な身なりの画廊の学芸員である。
 ある日、ジェニーは列車内でマットにナンパされ、それがきっかけで本格的な交際がスタート。ジェニーから自分が「Gガール」であることを打ち明けられたマットだが、ジェニーの破天荒な行動に驚かされつつも、次第に彼女の魅力にはまり込んでいく。
 ところがマットがハンナという同僚女性社員と親密そうに話し込んでいるところをジェニーに見られたことで、ラブラブだったジェニーとの関係は一転する。ジェニーははマットにストーカー行為を繰り返し、マットは彼女と分かれる決意をするのだが、これに納得いかないジェニーはめちゃくちゃな暴力を振るうようになる。耐え切れなくなったマットは、ジェニーのクラスメートという男性に相談を持ちかけるのだが…

 この映画はラブコメディなのか?
 ラブストーリーなのか?
 アクション映画なのか?

 はっきり言って、今まで見た映画で一番つまらなかった作品である。
 原因は、焦点を絞りきれなかった製作陣にもある。
 あれもこれもと欲張った結果、焦点がぼやけてしまい、何が言いたいのか、何を表現したいのかわからなず、中途半端な映画になってしまった。脚本が練られており、気の聞いたせりふがちりばめられているならばまだ救いがあるが、この映画にはそれもない。ディズニーみたいな「お子様向け」の映画だったらそれなりに割り切って楽しめるのだろうが、ベッドシーンがあるために、お子様向けとはとてもいえない。さらにいえばそのベッドシーンも、女優陣がみな「脱ぎ惜しみ」なので、この手の映画に欠かせない「艶っぽさ」も皆無に近い。そんなわけで、この映画はいろんな面から見ても「中途半端」になってしまっている。
 ただし「艶っぽさが欠ける」点については、製作者サイドに同情する点もある。この映画が企画・上映されたときのアメリカは「宗教右派」を支持母体とするブッシュ政権の勢いが一番強い時期だった。「宗教右派」派生道徳に極めて厳しいから、製作者サイドが彼らに遠慮した結果ベッドシーンが極めて微温的な表現になってしまったことは否めない。
 それを考慮しても、ストーリー展は荒っぽいことこの上ない。知り合ってすぐに男女の関係になり、彼女が過去の人間関係で深刻なトラブルを抱えるというのは、現実世界でもよくあるパターンだ。だがジェーンのかつてのクラスメートが、ジェーンとよりを戻すために恋敵のマットを拉致するのはまだ認められるにしても、ジェニーの特殊能力を奪うためにマットが用意した石から出る光線のために、ハンナまでが「Gガール」になってしまい「本家」Gガール・ジェニーと空中戦で取っ組み合いのけんかをしてしまう展開は、はっきり言って「荒唐無稽」の極み。その取っ組み合いシーンですら、アクションとしては物足りない。
 登場人物の性格造形も甘い。ジェニーはわがままで高ビーなでストーカー気質の女、マットとハンナもただの「軽くて単細胞な」人間としか描かれていない。人間はもっと複雑な側面を持つものだと思うのだが。もっとひどいのは、高校時代ジェニーのクラスメートだったベッドラムのキャラクター設定。最初はマットの敵役として登場し、次に登場する時は、ジェニーの乱暴狼藉を防ぐためにマットと同盟を結んだと思ったら、その直後の展開では再びマットを襲撃するキャラクターに変貌する。最終的にはジェニーと和解し、晴れて彼女と恋人同士になるのだが、こういう展開は理解できない。自分を襲撃した人間が、実は自分が好きだと知って「深い仲になる」事を決意する人間が、現実世界に存在しえるのか?
 アメリカ映画らしい「B級映画」と割り切ってみれば、それなりに楽しい映画かもしれない。しかしこの映画に、ラブコメディーらしい艶っぽさとエロティックな雰囲気、深い恋愛哲学に裏づけされた展開、アクション映画に求められる迫力を期待すると、大きく失望することになるだろう。

 ああ、つまらなかった。
 エンドロールが終わった瞬間
 「金と時間を返せ!」
と心の中で叫ぶ私が、そこにいた。

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Author:金尾散財衛エ門
音楽・美術・映画など、この世のすべての「美しいもの」と、憲法第9条に代表される「平和」が大好きな、世間一般でいう「ワーキングプア」に所属するしがない中年フリーター。
このBLOGでは、管理人が見たり聞いたりした映画・展覧会・CDの感想をつらつらと綴っていく。
※展覧会の記事は、過去の展覧会についても言及することをあらかじめお断りします。

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