金尾散財衛エ門のエンターティメントは素敵だ!

音楽大好き、芸術大好きの男がつらつら綴るエンターティメント感想記

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ニューイヤーコンサート2009

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ニューイヤー・コンサート2009

 指揮:ダニエル・バレンボイム
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 2009年1月1日
 ウィーン・ムジークフェラインザール

 世界中のクラシックファンにとって「恒例行事」であるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(以下VPO)ニューイヤー・コンサートが、今年も無事に開催された。
 指揮は、ニューイヤー・コンサート初登場のダニエル・バレンボイム。
 彼は、わずか10歳で「オール・ヴェートーベン」(ピアノソナタ)のコンサートでデビューし、その紺さ-との成功で「神童」の名をほしいままにした。その後指揮者としても活動を開始し、現在はベルリン州立歌劇場の音楽監督として活動している。
 バレンボイムとVPO楽員との関係は良好のようで、コンサート開始前には「彼とは音楽のフィーリングが合うんだよ」と答える楽団員のインタビューが放送されていた。

 

 今年のニューイヤー・コンサートでは、初登場の曲が2曲ある。そのうちの1曲である「ワルツ『南国のばら』 作品388」は、バレンボイム夫人のたっての希望で実現したのだそうだ。
 ピアニストとしての評価はともかく、指揮者としてのそれは好き嫌いがはっきり分かれるバレンボイムだが、今日私が聞いた限りでは、締める時は締め、VPOの自主性に任せる時は任せるというふうに、メリハリの効いた指揮ぶりだったと思う。ワルツでの豊麗な歌いっぷりと美しい響きは、聴衆を満足させてくれるものであった。実際の会場で聞ける人は、本当にうらやましいと思う。
 今年のプログラムで異色だったのは、ハイドンの曲目が入っていたこと。
 今年は、ハイドン没後200周年に当たり、それを記念してハイドンの曲を入れたのだそうだ。
 実際に会場で演奏された、交響曲第45番「告別」 の 第4楽章は、1フレーズが終わるたびに楽団員がステージ上から舞台袖に引っ込み、最後は指揮者だけが取り残されて終わるという、作曲者の遊び心が盛り込まれた作品。当時の楽団は王侯貴族のお抱えで、演奏時間がしばしば長時間に及び、疲れがたまっていた楽団員の気持ちを思いやったハイドンが、このような仕掛けを挿入したというエピソードを持つ作品である。
 今日の演奏でも、1フレーズ終わるたびに楽団員が舞台から消えていく様子が再現された。団員が消えるたびに戸惑う指揮者、くすくす笑う聴衆。指揮者は楽団員が減るたびに「君は帰らないよね?」という表情を向けるが、演者は指揮者にお構いなく舞台から去っていく。最後に残った弦楽器奏者2名も、指揮者を残して舞台から消えてしまい、後には戸惑う指揮者だけが残るという、しゃれた演奏で幕を閉じた。もっともこれらの演出は、楽団員も指揮者も、あらかじめ打ち合わせた上でやっているのだが、客席はやんやの大喝采だった。私はこの曲は名前だけは知っていたが、実際に演奏されるところは見たことがなかった。今回初めて演奏を聴いて(第4楽章だけだが)「ああ、こういう曲なのか」と知った次第である。
 アンコールではお決まりの「美しき青きドナウ」「ラデッキー行進曲」が演奏されたが、前者での挨拶のとき、バレンボイムが「中東の地に平和が訪れますように」といったのは、長きに渡り、中東での平和活動に携わり、時には母国イスラエル政府に批判的な視線を向ける彼らしいな、と思った。

 私にとって、嫌なことを忘れさせてくれる至福のひと時とは、美しい音楽と絵画に、身も心もささげることである。最高の「耳のご馳走」をしてくれたバレンボイム&VPOに感謝したい。

 以下に、プログラムを掲げておく。

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ニューイヤー・コンサート2009
- 第1部 -
 1.喜歌劇「ベネチアの一夜」 序曲 [ベルリン版] ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 2.ワルツ「東洋のおとぎ話」 作品444 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 3.アンネン・ポルカ 作品117 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 4.速達ポルカ 作品159 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 5. ワルツ「南国のばら」 作品388   ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 6. ポルカ「百発百中」 作品326 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 
- 第2部 -
 1.喜歌劇「ジプシー男爵」 序曲 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 2.喜歌劇「ジプシー男爵」 入場行進曲 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 3.宝のワルツ 作品418 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 4.スペイン風ワルツ ( ヨーゼフ・ヘルメスベルガー作曲 )
 5.ザンパのギャロップ 作品62a ( ヨハン・シュトラウス父 作曲 )
 6. アレクサンドリーネ・ポルカ 作品198 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 7.ポルカ「雷鳴と電光」 作品324 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
 8.ワルツ「天体の音楽」 作品235 ( ヨーゼフ・シュトラウス作曲 )
 9.ポルカ「ハンガリー万歳」 作品332 ( ヨハン・シュトラウス作曲 )
10. 交響曲第45番「告別」 から 第4楽章 ( ヨーゼフ・ハイドン作曲 )

アンコール
 美しき青きドナウ
 ラデッキー行進曲
ほか1曲
 

*Comment

*Comment_Post

Comment_form

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメント投稿不可です。

*Trackback

Menu

カレンダー

プロフィール

金尾散財衛エ門

Author:金尾散財衛エ門
音楽・美術・映画など、この世のすべての「美しいもの」と、憲法第9条に代表される「平和」が大好きな、世間一般でいう「ワーキングプア」に所属するしがない中年フリーター。
このBLOGでは、管理人が見たり聞いたりした映画・展覧会・CDの感想をつらつらと綴っていく。
※展覧会の記事は、過去の展覧会についても言及することをあらかじめお断りします。

最近の記事

カテゴリーメニュー

最近のトラックバック

 

最近のコメント

 

FC2ブックマークに追加する

FC2ブックマークに追加

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

blogram投票ボタン FC2 Blog Ranking TREview あわせて読みたいブログパーツ

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。